50歳の誕生日

40にして惑わず。50にして天命を知る。論語における有名な一文。

先日読んだコラムで「あなたの50歳時点での銀行通帳を見なさい。それがあなたの今までの人生の決算数字。そこからほぼ増えることはありません。」とあった。

この1月で50歳になった。自分の決算数字は?悪くはないがたいしたこともない。でも頑張ったよね、などと言っても全く意味がなく、数字はあくまで冷徹で冷静。真摯に受止めるべき。不惑と言われる40代は厄年にリーマンショックが訪れ、グリーンロードという船が沈みかけた。継ぎ接ぎの応急処置を繰り返しながら何とか難破せずに済んだ。とにかく沈ませない、前進させる、というある意味でその部分はなりふり構わず、「惑わず」に仕事に取り組んだ。その40代が終わった。40代最後の年に50代を迎えるにあたり、体調を整え健康であること、アウトプットの為のインプット量を増やす、という2軸で自分の日常を行動した。体調面は酒で肥え太った体を絞込み1か月に1キロずつ落とし、1年で10キロ以上減量。学生時代と同じ体重に。今のところリバウンドなし。体力をつけるため地味に走り続け年間走行距離は1,000kmを超えた。東京から九州を超えて海の上当りだそう。インプット量は?定量的には目標達成したがそれが定性的な成果につながっているかはやや不明。

翻ってみてグリーンロードという会社は花というもので人の誕生日やおめでた、色んなコトを表現するためのモノを扱っている会社。そのため、社員の誕生日のお祝い会や色んなイベントでそれを体感できるように気を配っている。

そうしているからと言って自分もそうして欲しいとは日頃は考えていない。

しかし朝一、従業員の代表から、普段連絡用で使用している社内メールに新たなスレッドで、

「社長お誕生日おめでとうございます」と送られてきた。

そのあと次々とメンバーの方々がメールを送ってくれた。感謝の気持ちや、ストイックさ見習います、などなどで、そんな風に見てくれていたんだと嬉しく有難い気持ちが溢れた。

夕方、いきなり事務所の電気が消えた。

「ああ、ケーキ用意してくれたんだ」。案の定、ハッピーバースデーの歌とともに大きなローソクが5本立ったケーキが運ばれてきた。消灯後、みんなで誕生日プレゼントをくれた。

「コトを大事にして下さい」と浅草今半のスキヤキディナーチケット2人分。私の子供のころはまだ貧しく、スキヤキがおおご馳走で「スキヤキによる肉の取り合いで兄弟での競争と思いやりを覚えた」と話したことを覚えてくれていたらしい。じっくりと社員の気持ちを味わいたいので一人で2回行こうと思う。モノには基本執着しない。機能がきちんと果たせていればいいと思う。例えば車は移動手段、だから安全性と機能を重視した車選び、外車や高級車に乗ることは決してない。まあ、経済的問題も大きく影響しているが。事務所のいわゆる社長椅子は10年以上破れたまま。特に気になることはない。が、社員の方々の方が気になっていたらしい。みんなで社長椅子を新調してくれた。「モノも大事にして下さい」とのこと。いいものを買ってもらった。多分企画するのがぎりぎりで目録という形で頂いたのも愛嬌。あと、私の机にマーガレットの一輪挿しを。個別に日本酒がおいしくなるという錫のお猪口を下さった方もいた。

いい誕生日だ。

アンチエイジングとか言うけど、それよりいい年の取り方をしたいと願う。

誕生日だからと言ってお酒を飲みに行ってはグズグズの一年を過ごしてしまう気がした。

ここは早く上がってスポーツジムへ。健康な体に50年前の寒い日に生んでくれたオカンに感謝しながら筋トレ、きちんと10km走った。今日はこんな誕生日を迎えさせてくれた社員の方々に改めて感謝。それぞれの誕生日の際にお礼していこう。