父の日

花屋にとって世間で言うモノ日は商売の盛り上がるタイミング。我々も年間スケジュールを立て、そのなかでプロモーション活動、受注、仕入れ、納品という一連の活動を会社として行っていき、世間様の賛同を得られれば、売上は伸び、賛同が得られなければ売り上げは減る。グリーンロードの場合、法人顧客での売上が全体の90%以上になる。そのため、年末年始のご自宅用のお花や母の日など、個人ユースが中心となるモノ日はある意味、我々にとって非日常でイベント、といっていい日に当たる。

そんな中、6月第三日曜日は当たり前に毎年必ず訪れるが、世間ではこれを「父の日」と名付け、色々な業界がビジネスチャンスと捉え、父の日のお酒、扇子、酒のアテ、など色々とセールスプロモーションを行っている。

しかし、うちの会社の宅配便での送りで数字から検証してみると、母の日と父の日では約5倍の開きが実証されている。もちろん、花屋という分かり易い業態とイメージから、母の日=カーネーションという構図が成り立ちやすいからなのか、あるいは世間一般が母親に対する思い入れの部分なのか、は甚だ疑問であるものの、実際そのような数字が出ている。

また、付け加えておくと母の日が「赤のカーネーション」に象徴されているように、父の日は「黄色のバラ」、が定番となっているが、これはほとんど知られていない。

そのためか、会社としても母の日ほどには父の日をイベントとして重要視しておらず、私自身、オーダーに対しては真摯に対応しましょうね、というくらいの意識しかない。

明けた月曜日の朝礼後、新入社員の一人が「ちょっとよろしいでしょうか?」と近寄って来たので、「なんかあった?」とやり取りしていると、歴代の新卒入社メンバー(今や新卒入社してくれて活躍してくれている数は社員数の半分以上を越えるようになった)全員からの私への感謝の言葉が綴られた寄せ書きと、小洒落た入浴剤、今、巷で流行っているという噂の久世福商店の万能だしをプレゼントしてくれた。月曜日の朝から感動。忙しいメンバー同士が裏側で相談して、こんな企画を作ってくれたんだと、本当に有難い、温かい気持ちに。

改めて世間のモノ日の有難さを感じるとともに、ものという形で感情を伝えることの重要性を再確認させられた父の日となった。

うちの企業理念は「花という媒体で人の気持ちをお届けします」であることを付け加えておく。