2021年1月1日 新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

昨年はコロナに始まり、変異型コロナが確認されて終わるという、
世界がコロナに振回された一年となりました。
56年ぶりに日本でオリンピックが開催されることに期待を胸に膨らませていたものの、
緊急事態宣言による経済活動の蒸発、オリンピックの延期、在宅勤務の長期化。
我々が今までに経験したことのない、全く予期せぬことが次々に起こった年でした。

大変な一年であったことには違いない。しかし、悪い事だけだったか?
と花屋という営みからみてみるとどうなのだろうか?

確かに卒業式や入学式、イベントごとが中止されそれに伴うスタンド花や装花、
結婚式の花などは全くなくなってしまった。でも、在宅勤務で家にいる時間が増えたことで、
「気分転換に花でも飾ろう」、とホームユースの花が増えた。
確かに単価はイベントなどでご利用頂く金額とは大きく異なるが、花を飾ったことのない方々が
花を身近に感じ、花の潤いを感じてもらうことの機会を得られたように思う。
また、年末の店頭では、帰省を控えるため、せめて玄関のお飾りだけは飾ろうと、
いままでお正月に玄関を飾ったことのない方々にお買い求めいただいた。
結果的に花を飾る人や習慣の裾野が広がった。
そのような光景を見る時に、花の持つ力やメッセージ性を改めて感じることができました。

シェイクスピアはペストが大流行して劇場が閉鎖、職を失ってしまった時に有名な「リア王」を書きました。
ニュートンはペストの大流行で大学が18カ月間学校閉鎖、その時に落ちるリンゴを見て「万有引力の法則」を見つけ出します。
レオナルド・ダビンチはペストの流行は不衛生な水の環境にあると思い、
飲み水用に使う上水道と使った水を流す下水道に分けて利用することを思いつき、上下水道を設計したそうです。

歴史は繰り返すと言いますが、いま我々がおかれている状況と同じような気がします。
この先のことなんて全く見通せない。
現状を嘆くのではなく、出来る限りの創意工夫を凝らして、少しでも前進していく。
そんな2021年にしていきたいものです。

本年も何卒よろしく御願い致します。