春の景色を彩る桜は別れや出会いのシーンにも欠かせません。
卒業式入学シーズンのイメージがありますが、早いものは暮れから出回り
一番寒いこの季節にも私たちの心をほっと和ませます。
さくら
Cherry blossoms
一番初めに出回る山形の啓翁桜
山形県から多く出荷される啓翁桜は、冬の桜として一番初めに出回ります。この桜はお正月に満開を楽しめるように、開花時期を調整しています。切った枝に薬品や温かいお湯をひたす処理を施し、春の陽気と同じ暖かさの温室に入れて開花させます。さらにそのためには、処理前に気温8℃以下の環境で500時間以上を過ごさせる必要があり、秋の訪れが早い山形県では、早い時期から休眠状態に入らせることができるのです。
様々な種類が楽しめます
|11種の基本種から派生して多くの品種
現在、日本にある桜は600種類以上といわれています。
桜は挿し木などでも容易に増やすことができ、野生でも交配がしやすいので、
これだけの数になりましたが、その多くの品種も、元々は以下11種の基本野生種から交配されたものです。
ヤマザクラ
オオヤマザクラ
カスミザクラ
オオシマザクラ
エドヒガン
チョウジザクラ
マメザクラ
タカネザクラ
ミヤマザクラ
クマノザクラ
カンヒザクラ
この11種が複雑に交配しあっているため、分類の方法は様々で
正確にカウントができないようです。
桜の豆知識
|開花予測とは?
今年、東京の開花予測は3月23日とのこと。
この開花予測とは、日本気象株式会社が独自にもつ予測式を使います。
この方法は秋から冬にかけての気温や、
つぼみの生育状況を考慮され算出されたものです。
桜の花芽は、きちんと低温に当たらないと生育しないもので、
前年の冬の寒さが開花の時期に大きく影響するのです。
|様々な予測方法
気象庁の計算方法の他、有名なのは600℃の法則です。
これは、2月1日以降の最高気温の累計が600℃を超える日に開花するというものです。
その他、日平均気温を累計する400℃の法則説もあり、様々な予測方法が論じられています。
|すでに咲いている桜もあるけれど?
開花予測は予め指定された「標本木」を基準にしています。
気象庁が定める東京の標本木は、靖国神社境内にあるソメイヨシノです。
この木を含め、日本各地に定められた標本木は59本。
しかし樹木は生き物、老齢化すると開花時期が変わってしまうため
世代交代として他の木に標準が移ることもあるらしいです。
|開花の定義
どの木を基準にするかということと、もう一つ気になるのは
何をもってして開花というのか、です。
こちらには定義があり、「その木のつぼみのうち、5〜6輪が開いたら」
だそうです。
ちなみに満開とは、花単体の開き具合ではなく、その木のつぼみの8割以上が
開いた状態を指すそうです。