根津神社

 

グリーンロードが本社を置いている根津の町は大手町から電車で7分。

そこに日本武尊が1900年前に創祀したと伝えられる根津神社がある。

東京10社の一つで今から300年前に徳川綱吉公が将軍の威信を賭して創建され、本殿は国の重要文化財に指定されている。

祭神は出雲神話に出てくる素戔嗚之尊、調べてみると相当乱暴な神様で根の国(現生のあらゆる罪、穢れの集まるところ)を支配する神様だそうだ。まあ、ある意味特別な力の神様であることは確からしい。

 

初めて出したお店が根津神社の参道の近くである、という場所柄からちょくちょく参拝するようになった。

世間一般では「いざという時の神頼み」という言葉があるが、進退窮まってから参っても、「何を今さら」というのが神様の本音の気がして、そうなる前に常々、神頼みしておこうという下心があることは否めない。参拝を始めた当初は「なんとか潰れないように、生活ができる程度でいいのでお願いします」という初々しいお願いから始まっていたと記憶している。年月が経つにつれて、「これだけ一生懸命社業に取り組んでいるんだから社員のボーナスはせめて」に始まり「事故がないように」と願い事は心配事が増えるに従い膨大な量になって行った。しかし、世の中と平等にリーマンショックは襲ってきて眠れぬ日が続いたり、お酒をがぶのみして気を紛らわしていた時、「神様なんてひどい」、とひとりごちていた。

神様のことについて書かれたある本を読んだ際、いきなり本殿に参るのは、企業に例えるといきなり社長に挨拶しにいくようなもの、必ず本殿近くにお稲荷さんが祭られているので、そこに「今からお参りに参ります」と参拝したのちに本殿に参ること。本殿では願い事をお願いするのではなく祝詞を3回あげるのみ、と記されていた。これ以降はお稲荷さんに参り、本殿で祝詞をあげるのみ、とした。

大手町近くにある東京都心部の住宅街の中に、根津神社はそこだけ切り取られたかのうに樹木が茂り、江戸、明治の風情をそのままに感じることのできるある意味異空間。

そこで日々参拝するのは「襟を正して商売に取り組んでますよ」、という
ある意味の矜持を神様に誓うことかもしれない。